第127章 彼女が心配だ

南雲玲奈は本当なら、彼の存在など無視して、香澄が出てくるのを黙って門のところで待つつもりだった。

けれど、あの視線だけはどうしてもやり過ごせない。玲奈は冷えた声で言った。

「……何か用?」

横尾孝人は、まるで初対面の他人でも見るような淡さで見返され、理由もなく苛立ちが胸の奥に溜まった。

「香澄に会いに来た」

玲奈は鼻で笑う。

「必要ないわ。香澄は今、ちゃんと幸せに暮らしてる。横尾社長にはもう義理の息子がいるでしょう。娘が一人増えたところで困らないはずよ。できることなら――これ以上、香澄をかき乱さないで」

横尾孝人の瞳が、すっと沈んだ。何か言い返そうとした、そのとき。

校門が開...

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